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   <title>デイリーニュース2008</title>
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   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   <subtitle>2008年度第9回東京フィルメックスのデイリーニュースです。</subtitle>
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   <title>閉会式</title>
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   <published>2008-11-30T12:00:32Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月22日より始まった第9回東京フィルメックスは、11月30日、有楽町朝日ホ...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_1.jpg"><img alt="closing_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月22日より始まった第9回東京フィルメックスは、11月30日、有楽町朝日ホールにて閉会式を迎え、最優秀作品賞・審査員特別賞（コダックVISIONアワード）・アニエスベー・アワード（観客賞）が発表された。コンペティション部門10作品を審査した5人の審査員が登壇し、林 加奈子東京フィルメックスディレクター同席のもと、J-waveのサッシャさんの司会によって閉会式が行われた。]]>
      <![CDATA[まずは観客賞であるアニエスベー・アワードが発表され、園子温監督の『愛のむきだし』が受賞した。園監督は少し緊張した面持ちで、「日本で一番素晴らしい映画祭で観客賞がとれて、すごく光栄に思います。本当にありがとうございました」と受賞の喜びを語った。アニエスベーサンライズ　プレス・コミュニケーション部の藤野さんから、「会場も満席で、上映後は拍手喝采だったそうです。本当におめでとうございます」と、副賞の賞金が授与された。
続いて発表されたコダックVISIONアワード（審査員特別賞）は、ソヨン・キム監督の『木のない山』とユー・グァンイー監督の『サバイバル・ソング』の2作品が受賞した。副賞としてコダック株式会社よりそれぞれ4000米ドル相当の生フィルムが監督に授与される。
最初に、『木のない山』の受賞を発表した審査員長の野上照代さんは、受賞理由を「今年は例外的に2作品です。（副賞の）フィルムが半分ずつになり、足りないといわれるかもしれませんが、どちらも捨てがたく2作品になってしまいました。『木のない山』は2人の子供が素晴らしく、よくあれだけ撮れたと思ったのと、長い時間をかけたと思うんですが、小さい子供が成長していく過程が愛情深く描かれていて、とても良かったと思います」と述べた。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_2.jpg"><img alt="closing_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> キム監督は、日本語で「どうもありがとうございました」と挨拶をした後、「素晴らしい映画祭に招待されたこと自体とても光栄なことでしたが、このような賞をいただけて感動しています。夫でありプロデューサーのブラッドリーとともに時間をかけて作りました。今後もさらに良い映画を作り、精進したいと思います」と、感極まった様子で声をつまらせながら受賞の喜びを語った。キム監督には、審査員のレオン・カーコフさんより賞状が授与され、コダック株式会社エンターテイメントイメージング事業部の前田さんと竹内さんからトロフィーが贈られた。
続いて『サバイバル・ソング』の受賞を発表した審査員のソン・イルゴンさんは、「東京に着いた時、40度以上の熱があって扁桃線が本当に痛かったのですが、この映画を観て、私は痛みを忘れるほど素晴らしい作品に出会えたと思いました。中国の地方部の貧しい人々についてのドキュメンタリーであるだけでなく、人間が持つあらゆる感情の真実がみえます。憎しみ、喜び、葛藤、希望。この映画を観ながら、私たち観客は自分のことを考えさせられました。人間に対する監督の温かなまなざしを感じました」と、その受賞理由を語った。
残念ながらすでに帰国してしまったユー監督に代わって、東京フィルメックス市山尚三プログラム・ディレクターが喜びのコメントを代読した。「今回2度目の来日でした。私の映画を気に入ってくださった心の温かい日本の皆様に、心から感謝したします。私は幼い頃から長白山で育ちましたが、そこでは一年にほんの数回しか映画を観る機会がありませんでした。それが、本日映画祭で賞をいただけるとは感無量です。これまで私を支え、助けてくれた全ての人に感謝申し上げますとともに、これからも一層の努力を重ねて良い映画を撮りたいと思います」　ユー監督からの言葉に会場から大きな拍手が起こった。

最後に発表された最優秀作品賞は、アリ・フォルマン監督の『バシールとワルツを』が受賞し、副賞として賞金１００万円が授与された。審査員のイザベル・レニエさんは、受賞理由として「オリジナルなミックスジャンルの作品で、アニメーションとドキュメンタリーを混ぜ合わせた新しい実験的なスタイルの作品です。新しい映像言語を発明しつつ、観客に強烈なインパクトを与えた、この重要な作品に最優秀作品賞を授与したいと思います。特に感心したのは、幻想的なビジョンを史実と交差させる知性、語りの手法としての音楽の使い方でした」と評した。
舞台にはアニメーション監督のヨニ・グッドマンさんが登場し、審査員のレオン・カーファイさんより賞状が授与された。グッドマンさんは、「アニメーションを専門とする者として、アニメーションの大帝国である日本でこの映画を上映できたことを大変光栄に思っています。この映画の製作期間中に、たくさんの赤ちゃんが生まれました。その赤ちゃんのためにこの賞を捧げたいと思います。この子たちが大きくなり、この映画を観た時に『デタラメじゃないの？このフィクションの映画。戦争って何？』と言えるような未来になってほしいと願っています」とコメントし、会場は感動的な空気に包まれた。

全ての発表が終わり、審査委員長の野上照代さんより、「昨日審査員5人で10本の作品を検討した時、徹夜で検討すると思ったら、3本まではみんな同じでした。受賞作を3本から2本にするという議論はありましたが、5人で話し合いをしたことが楽しい経験でした。一番論争に時間がかかったのは、特別賞を2本にしていいかということでした。また、日本映画でも若い監督の2作品については俳優も良く、評価する方もいました。それ以外の作品もそれぞれ評価がありましたが、最終的に3本には入らなかったということです。フィルメックスでの受賞が将来の役に立つことがあればと望んでいます」との総評をいただいた。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_3.jpg"><img alt="closing_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 最後に林ディレクターがクロージング作品の紹介と閉幕の辞を述べ、閉会式を締めくくった。「第9回東京フィルメックスはいよいよクロージング作品、ハンガリーの傑作『デルタ』を迎えます。ご協力・御協賛いただきました各社の皆様はじめ、審査員の方々、素晴らしいQ＆Aの場を作ってくださった観客の皆様、全ての方々に心からお礼を申し上げます。そして今年は90人を超えるボランティア・スタッフの皆さん、それから上映と字幕投影にご尽力いただいた映写チームの皆様もありがとうございました。12月6日土曜日に、ブラジル映画アンドラーデ特集をアテネ・フランセ文化センターで追加上映いたします、お待ちしております。映画祭は作り手と観る側を両方応援して相互の架け橋をつなぐためにあるのですが、期間中痛感しているのは、実際には作り手とご覧になる皆様両方に、東京フィルメックスが支えられているという現実です。重ねて感謝申し上げます。来年は第10回になります。また強烈な素晴らしい作品を上映できるよう、皆様の笑顔を心の支えにして、準備を進めます。どうぞ、来年第10回にご期待ください」

「継続こそが力」という開会の言葉で始まった第9回東京フィルメックスも9日間の全日程を終えた。今年は南米の作品も上映され、より多彩なプログラムで展開された。そして来年はいよいよ第10回を迎える節目の年となるが、林ディレクターの力強い言葉に期待が膨らむ。


（取材・文：鈴木自子）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_4.jpg"><img alt="closing_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_5.jpg"><img alt="closing_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_6.jpg"><img alt="closing_6.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/closing_6-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>受賞会見</title>
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   <published>2008-11-30T06:00:38Z</published>
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   <summary> 第９回東京フィルメックスの最終日となる11月30日。閉会式に先立ち、国内外のマ...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_1.jpg"><img alt="kaiken_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 第９回東京フィルメックスの最終日となる11月30日。閉会式に先立ち、国内外のマスコミ関係者が見守るなか、今年のコンペティション作品の受賞会見が行われた。野上照代審査委員長はじめ、レオン・カーファイさん、ソン・イルゴン監督、イザベル・レニエさん、レオン・カーコフさんの審査員全員が出席。野上審査委員長が今年の総括を述べるとともに、受賞作品を発表した。]]>
      <![CDATA[「最優秀作品賞は『バシールとワルツを』」。野上審査委員長が冒頭から上位作品を発表すると、集まったマスコミからは大きな拍手が沸き起こった。
続けて審査員特別賞の発表に移ると、「変則的ですが」と前置きをした上で、ソヨン・キム監督の『木のない山』と、ユー・グァンイー監督の『サバイバル・ソング』の名前を読み上げた。「いずれも捨てがたく悩みに悩んだ末、（東京フィルメックス始まって以来）初めて２本になった」と説明した。
最優秀作品賞の『バシールとワルツを』について、審査員のレニエさんは「観客に強烈なインパクトを与える大変重要な映画。特に感銘を受けたのは、幻想的なビジョンと史実を交差させる知性と、語りの手法としての音楽の使い方です」と、授賞のポイントを述べた。
また、審査員特別賞の『木のない山』について、野上審査委員長は「２人の子供が成長していく姿がとても感動的だった」とコメント。ソン監督は、『サバイバル・ソング』を「人間が持っているあらゆる感情の真実の顔が見える。人間に対する監督の温かな眼差しを感じる」と評価した。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_2.jpg"><img alt="kaiken_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 「さすが東京フィルメックス。選び抜いた10本でみな素晴らしいと思いました」と野上審査委員長。また、「ソン監督やカーファイさんらは、日本の若い監督の作品も非常に面白かったと評価していた」という裏話を披露した。
総評に続き、市山尚三・東京フィルメックスプログラム・ディレクターの紹介で、『バシールとワルツを』のアニメーション監督であるヨニ・グッドマンさん、『木のない山』のソヨン・キム監督が登場。会場から大きな拍手が送られた。
まず、グッドマンさんより、受賞の喜びとともに、アリ・フォルマン監督からのメッセージが伝えられた。「この賞を、映画製作中に生まれた私たち関係者の赤ちゃんに捧げたい。この子たちが大人になったとき、この映画を見て『こんなの嘘っぱちでしょう』と言える世の中になることを願っています」
キム監督は、「きょうここで取材があると呼ばれただけで、まさかこんなことになっているとは思いもしませんでした」と驚きを隠せない様子だった。
すでに帰国した『サバイバル・ソング』のユー監督からは、「私は幼いころ、長白山で育ちましたが、そこでは１年にほんの数回ほどしか映画を見る機会がありませんでした。それが本日、映画祭で賞をいただけるとは、本当に感無量です」とのコメントが寄せられた。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_3.jpg"><img alt="kaiken_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 続く質疑応答では、まず「カーファイさんらは、日本の若い監督の作品の、どのような点が具体的に気に入ったのか」という質問が飛んだ。『ノン子36歳（家事手伝い）』を見て、久しぶりに映画で泣いたというカーファイさん。「単純な理由で気に入りました。俳優の演技が素晴らしかったから。また、私のようにシンプルに作品を楽しむ観客にとっても、ストーリーがとても分かりやすくて面白いと思った」と説明した。また、『PASSION』を「非常に良い作品」と評価したカーコフさんは、続けて「これまで多くの映画を見てきました。どの映画からも、良いところを受け取って、それを自分のものにしていく」と、自分自身の映画に対する見方について語った。
次に、受賞作３本の日本公開について質問が及ぶと、「いま日本で配給してくれる会社を求めているところです」とアピールしたキム監督。「この映画は来年５月から韓国で公開されます。来年４月からは米国で、来年内には英国でも公開が決まっています」という情報を明かしてくれた。

グッドマンさんからも、「どの段階まで話が進んでいるかは分からない」と断った上で、「いま交渉中だが、フォルマン監督からはほぼ決まりだと聞いている」との期待させられる回答が飛び出した。
今回は、中国語圏のマスコミからカーファイさんに、審査員を引き受けた経緯や、最近の金融危機が映画産業にもたらす影響についての意見を問う質問が相次いだ。「この機会を通じて、世界の映画人と交流することができて非常に光栄でした」というカーファイさん。「世の中、日々刻々と変化している。大きく変わる世界の中で、どんどん新しい映画のテーマが生まれてくる。もちろん資金も大切ですが、やはり“心”をもって取り組むことが、映画作りにとってより重要だと思う」と語った。
アニメーション大国といわれる日本において、『バシールとワルツを』が最優秀作品賞に輝いたことを受け、今後のアニメーションの可能性を探る質問も多かった。「さまざまなタイプの映画をアニメーションを通して作ることができる」と言うグッドマンさん。受賞作に限定して言えば、「最初からアニメーションでなければいけないと思っていた。この映画でやりたかったファンタジーや恐怖の部分、あるいは幻影というものを描き出すには、アニメーションという手法でないと上手くいかなかったと思う。まして、アニメーションを使わなければ、これほどのインパクトを観客に与えることはできなかった」と述べた。
審査員からも、「アニメーションというとなんとなく敬遠するのですが、これに関しては格別素晴らしい」（野上審査委員長）、「この映画がもしドキュメンタリーであったなら、私たち観客はこの非常に大きな政治的、歴史的な問題を直視し続けることが難しかった」（ソン監督）等、アニメーションゆえに伝えることが出来た、強烈なインパクトとメッセージ性を評価する声が相次いだ。

「今回の受賞作品には、アニメーション、ドキュメンタリー、フィクションという３つの全く異なるジャンルのものが選ばれた。そのことが、映画の未来の可能性について語っていると思う」というレニエさん。「アニメーションの未来に限らず、むしろ映画自体が形式の多様性、表現方法の多様性の、ある種の爆発を迎えている」と締めくくった。

合評会では審査員全員がほとんど同意見で、受賞した３作品を最終選考に推したという今年の東京フィルメックス。映画の手法の多様化を垣間見るとともに、根底にあるのはやはり作り手の心とメッセージであることを、改めて提示した結果でもあった。


（取材・文：新田理恵）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_4.jpg"><img alt="kaiken_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_5.jpg"><img alt="kaiken_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kaiken_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>『ティトフ・ヴェレスに生まれて』Q&amp;A</title>
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   <published>2008-11-30T05:00:07Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月30日、特別招待作品『ティトフ・ヴェレスに生まれて』が有楽町朝日ホールに...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_1.jpg"><img alt="titov_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月30日、特別招待作品『ティトフ・ヴェレスに生まれて』が有楽町朝日ホールにて上映された。ティトフ・ヴェレス（ヴェレスの旧称）という、ユーゴスラビアの歴史的指導者であったチトーの名前がつけられた産業都市を舞台に、3姉妹の心情や生活を色彩豊かに描いた映画である。上映終了後、テオナ・ストゥルガー・ミテフスカ監督が登壇しQ&Aが行われた。映画のなかでの印象的な色使い、ミテフスカ監督の出身国であるマケドニアやチトーについての質問が観客から相次ぎ、ひとつひとつ丁寧に答えるミテフスカ監督の真摯な姿勢が印象的だった。]]>
      <![CDATA[ミテフスカ監督は「日曜日の朝早い時間に関わらず、来場いただいた皆さんに感謝します」と挨拶。「皆さんチェーホフの「三人姉妹」を想像されたと思うのですが、チェーホフの映画化ではなく、オリジナリティーにあふれている」と林加奈子東京フィルメックスディレクターが述べ、特に映画のなかで色彩を効果的に使った独特のビジュアルイメージについて、ミテフスカ監督に質問した。
「私は映画が大好きで、映画と共に育ったと思います。この映画では、視覚性が題材、内容やストーリーと深く結びついているものを作りたかった」とミテフスカ監督。演出、照明やコスチュームが映画の視覚性の要素であり、色彩は特に人物の感情描写を表しているという。画面のひとつのフレームがそれぞれ独立した存在として要素を持ち、そのためにも視覚芸術としての意味を考えながら作っていったと話した。
「シネマスコープサイズを選んだ理由は」という会場からの質問に、ミテフスカ監督は「迷ったが、撮影監督のヴィルジニー・サン=マルタンがシネスコを強く支持しました。シネスコでは一枚一枚の構図をしっかり考えないと撮れない」と語り、「フィルムで制作される映画がハイビジョンに代わりつつあります。フィルム、特にシネスコが消えてしまうかもしれない危機的な状況だからこそ、大好きなフィルムにこだわりました。フィルムが現実をいちばん表現できるメディアだと思う」と述べた。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_2.jpg"><img alt="titov_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 舞台にティトフ・ヴェレスを選んだ理由について問われると、「マケドニアは非常に小さくて、車で2時間半も走れば通り過ぎてしまう国です。ティトフ・ヴェレスは私の住んでいるスコーピエから30分ほどの距離ですが、この街を選んだのは、二つの理由があります」と答え、「ひとつは、中心に工場があることです。怪物のような工場が、そこに住む人々に糧を与えると同時に彼らを殺してしまうモンスターでもあるという二面性があったのです」。映画監督として、社会問題について語り続ける責任があり、公害がマケドニアだけでなく世界で重要な問題と考えたと語った。
二つめの理由として、ミテフスカ監督が生まれ育った時代は、ユーゴスラビアの父であり、偉大なリーダーであったチトーの時代に大きく関わっている。ユーゴスラビアは6つの共和国で成り立ち、それぞれの共和国には工場が中心にある、チトーの名前がついた街があった。それは近代化、工業化を推し進めたチトーの方針だったが、工業化は、同時に人々に死をもたらすような進歩でもあったと話し、映画の背景とテーマに、ティトフ・ヴェレスという街の持つ歴史と現状を重ねたことを伝えた。
次に、会場の女性観客が「赤と緑といった色彩の使い方、光と影、演出も好きで、ヒロインの心情にも共感できました」と感想を語った後、チトーという過去の人物についての印象と、国外に出る場合のビザ状況など、マケドニアの社会状況について質問した。
ミテフスカ監督は、これに対して「産業化、近代化をもたらしたチトーに対しては、ある種のノスタルジアがあり、複合的で愛と憎しみ、どちらともいえない複雑な感情があります。公害は偶然に起こったことです」「私はビザなしで日本に来ることができましたが、マケドニアは閉鎖的な国で、ビザを取るのは非常に困難」と説明した。「私たちは持っていませんが、世界を自由に動きまわることは基本的な権利であると思う」と熱く語った。
マケドニアとギリシャの関係について質問が及ぶと、今日、ギリシャとマケドニアの間には歴史的に複雑な関係があり、ギリシャがマケドニアという呼び名を使用する権利を行使させないと主張していること、ミテフスカ監督自身は、歴史は誰のものでもなく、皆のものと考えていることを説明した。

好きな監督として、小津安二郎、ミケランジェロ・アントニオーニ、イングマル・ベルイマンの3人を挙げ、「小津監督の映像のテクスチャー、演出の方法や動かないカメラ構図に影響を受けた」と語った。時間を延長して観客からの熱心な質問に応じてくださったミテフスカ監督に、映画の後と同様に観客からは惜しみない拍手がおくられた。


（取材・文：宝鏡千晶）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_3.jpg"><img alt="titov_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_3-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_4.jpg"><img alt="titov_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_5.jpg"><img alt="titov_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/titov_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>『愛のむきだし』Q&amp;A</title>
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   <published>2008-11-29T13:00:42Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月29日、特別招待作品として有楽町朝日ホールにて上映された『愛のむきだし』...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_1.jpg"><img alt="mukidashi_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月29日、特別招待作品として有楽町朝日ホールにて上映された『愛のむきだし』上映終了後、監督の園子温氏を迎えてQ&Aが行われた。上映後も会場内は、4時間にわたる興奮の余韻を残す観客たちの熱気で満ち溢れていた。]]>
      <![CDATA[
まず、園監督からは「長丁場、どうも皆さんお疲れ様でした」と観客に向けたねぎらい（？）の言葉が。監督への熱い視線が集まるなか、早速、質問者の手が挙がった。主演の西島隆弘さんと満島ひかりさんについて、2人の演技で感じたことは、という質問には「2人ともこれだけのスケールの映画に出演するのは初めてのことで、そのことは良い意味で成功していると思っています。というのは、2人とも若くて新人で、（演技をする上で）こういうことをしちゃいけない、これがルールだ、という型が出来ていなくて何にも染まっていない純白さがある。だから思いきり羽を伸ばして表現できたと思う」と監督。また、本作にみられる性描写やバイオレンス描写は若い俳優にとってリスクがあるのでは、という質問には「たしかに今は純粋培養の俳優が多くてNGとされることが多すぎる。かつての浅野ゆう子や原田美枝子の演技を観てすごい、と思うことがあったが、それに比べて今の俳優は…特に日本の俳優はダメだと思う。最近の恋愛映画をひとつとってみても、日常の泥臭さを描けていないし、表現できていない。その点本作の3人（西島さん・満島さん・安藤サクラさん）の勇気、表現に対する貪欲さ、真面目さーを僕はとても評価しているし、他の俳優もそうあってほしいと思っている。3人ともが勇気をもってこの映画に挑んでくれたお陰でこの作品があります」と答えた。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_2.jpg"><img alt="mukidashi_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 本作は映画の冒頭にも提示されている通り、実話がベースになっているというが、その点についていくつか質問が及んだ。「この作品は、ほとんど全て自身の経験と、知人の経験から出てきたものです。自身の実話がシナリオのベースとなっているが、それ以外の部分も別の人の実話から作り上げたものです。他人の目から見ると、僕の人生は相当変な人生らしいです。僕自身としてはごく真っ当に生きてきたんですけど…自分が体験してきた「現実」は奇妙なことが多かった」と監督。ちなみに本作は20年前の実話を基にしているが、20年近い蓄積を経たのち、今から3年ほど前にこの話を映画にすることを思い立ったのだという。
つづいて寄せられた質問は「監督の作品には『自殺サークル』（02）をはじめ、制服の女子に対するこだわりがあるように感じられるが…」というもので、会場に笑いが起こった。監督は「えーと、どう答えようか…」と戸惑いを見せながらも、もともとセーラー服には全く興味がなかったにもかかわらず、あるとき映画を通じて、興味を抱くようになったのだと語った。映画の中では、魔法に掛かったようにセーラー服が美しく見える瞬間があるのだという。それはあくまで映画の中での話であって、現実の世界では起こりえないことだとか。
次に、上映時間について。はじめから4時間の構想だったのか、編集の段階で、これだけの時間がないと観客に伝えたいことが伝えられない、と判断してのことだったのか、という問いには、「脚本がタウンページ並みの厚みでして。脚本が立つんです（笑）」と監督。「これをやるのに一体何時間掛かるのか見当もつかず、覚悟を決めて取り掛かりました。でも長さにこだわるとかギネス記録を狙うとかそんなつもりはなくて、長さなんてどうでも良かった。人が面白いと思えるものを作りたくて、始めに6時間あったものをギリギリまでカットして4時間にしました」とのこと。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_3.jpg"><img alt="mukidashi_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 物語の前半と後半との展開の違いを指摘した質問に対しては、「前半にコミカルな要素を入れた意図は、盗撮や盗みといった引っ掛かるテーマがふんだんに出てくる前半ではそういった負の要素をそのまま描くのではなく、どこかさわやかに、明るくそして…可愛く（笑）描きたいと思ったからです。実際リアルな盗撮現場なんて観るほうがひいてしまうけど、本作の盗撮シーンは香港アクションを織り交ぜた、僕自身が考案したものです。でも実際あんなやり方で盗撮しているヤツなんかいないですよ」と会場の笑いを誘った。また、作品には監督自身が好きな映画の記憶を、オマージュの意味もこめて反映させているとのこと。盗撮シーンでの香港アクション風の演出をはじめ、東映『女囚さそり』シリーズなども本作にエッセンスとして投影されているという。

最後に市山東京フィルメックスプログラム・ディレクターより、『愛のむきだし』原作本の紹介がされた。「映画でしか表現できないことは映画で、こちらは小説で表現したら面白い、と思う部分を集めた」（監督）作品とのことで、映画とはまた違った面白さが期待できそうだ。なお、小説版『愛のむきだし』は12月10日に小学館より発売される。お値段も「そんなに高くない」（監督）1,365円（税込）とのことなので、書店で見かけた際にはぜひ、お手にとってみて頂きたい。

会場は終始、若々しいパワーで溢れていた。上映後にはひときわ大きな拍手と歓声が響きわたり、質疑応答の場で「園監督、大好きです!!　映画、最高です!!」と叫ぶ観客もいたほど。これぞ映画祭の醍醐味！といえる、充実した4時間であった。


（取材・文：大坪加奈）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_4.jpg"><img alt="mukidashi_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_5.jpg"><img alt="mukidashi_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>『愛のむきだし』舞台挨拶</title>
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   <published>2008-11-29T08:00:00Z</published>
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   <summary> 11月29日、有楽町朝日ホールにて特別招待作品『愛のむきだし』が上映された。上...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_1.jpg"><img alt="mukidashi_stage_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月29日、有楽町朝日ホールにて特別招待作品『愛のむきだし』が上映された。上映前には、園子温監督と主要キャスト4名による舞台挨拶が行われた。『愛のむきだし』は上映時間237分という壮大なスケールのラブストーリーだが、上映時間の長さにもかかわらず、会場には若い女性を中心にたくさんの観客が詰めかけ、場内はただならぬ熱気で満ちていた。]]>
      <![CDATA[

園監督らがステージに現れるや否や、会場からは一斉に歓声があがった。まず、園監督から「上映時間は4時間ですが、体感時間は一瞬ですから心配なさらず最後までお楽しみください」とのメッセージに続いて、本作の中心となるユウとヨーコを演じた2人の紹介がされた。ヨーコ役の満島ひかりさんは、「こんな素晴らしい映画に参加できたことを嬉しく思います。映画の撮影当時、私は21、22歳でしたがこれまで生きてきた自分のパワーを使って全身全霊で演じられたと思っています」とコメント。続いてユウ役の西島隆弘さんは「監督、僕を映画初出演させてくれて、ありがとうございます！（と監督に向かって頭を下げる）この作品を通して、自分が愛する人に愛されるために、どれだけ人は本能をむきだしにできるのか、ということを考えさせられました。結婚していなくても、付き合っていなくても好きな人を抱きしめたい、チューしたい、という思いが全面にすごく出ています。ご覧になる皆さんの恋愛観と照らし合わせてみて欲しい」とやや興奮気味に語った。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_2.jpg"><img alt="mukidashi_stage_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a>  そしてユウとヨーコを翻弄する女を演じた安藤サクラさんは「（映画祭という）このような機会に観ていただけて光栄に思います。短い時間ですが、えー…短い、時間ですが（と強調）、この作品に詰まったエネルギーと愛を、受け止めて欲しいと思います」とコメント。最後に、ユウとヨーコの義理の母となる奔放な女性カオリを演じた渡辺真起子さんは低い声で開口一番、「すみません。昨日飲み過ぎて声、ガラガラです」と言うと場内からどっと笑いが起きた。「これだけ思う存分、エネルギーをはき出しながら演じることはこれまでなかったんですが、4時間は本当にあっという間です」とコメント。引き続きフォトセッションに入ったが、キャスト全員で決めポーズをあれこれ試してみるなど、仲睦まじい様子が伝わってくる一幕も。

なお『愛のむきだし』は来年2009年1月より、渋谷・ユーロスペースにてロードショーが決定している。


（取材・文：大坪加奈）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_3.jpg"><img alt="mukidashi_stage_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_3-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_4.jpg"><img alt="mukidashi_stage_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/mukidashi_stage_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>トークイベント「『愛のむきだし』を楽しむために」</title>
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   <published>2008-11-29T07:30:26Z</published>
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   <summary> 11月29日、特別招待作品『愛のむきだし』上映に先立ち、園子温監督と宮台眞司さ...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_1.jpg"><img alt="miyasono_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月29日、特別招待作品『愛のむきだし』上映に先立ち、園子温監督と宮台眞司さんのトークイベントが有楽町朝日ホールの11階スクエアで行われた。『愛のむきだし』は、実話をベースに、盗撮マニアの主人公ユウと敬虔なクリスチャンの父、理想の女性マリアとしてユウと出会うヨーコら複雑な関係を、愛と信仰と性、希望と絶望を行き来しつつ描いた、壮大でスピード感あふれる237分の超大作である。首都大学東京教授で社会学者の宮台眞司さんはさまざまな角度から質問を投げかけて問題提起し、園監督が言葉を選びつつ独自の映画観と世界観を語った。]]>
      <![CDATA[『愛のむきだし』が生まれた経緯について、園監督が自主映画を撮っていた際に、実際に”盗撮界”で当時有名になっていたユウに相当する人物に、製作を手伝ってもらったことがきっかけだという。園監督いわく、彼の妹さんがとある新興宗教にハマってしまっていたところを、愛の”変態“パワーで救出した事件が実際に起こったらしい。「妹さんに『こっちの世界に戻ってこい』と言ったらしいんだけど、こっちの彼の世界って変態じゃないかと（場内笑）。彼の愛のパワーに心を打たれたし面白い話だと思った。その話から20年たって、急に映画にしてみたくなった」と園監督が語る。
映画には、0（ゼロ）という新興宗教集団が登場する。カルト宗教といわれる新興宗教と世界宗教の違いは、二元論であるかないか。SF作家平井和正原作の『幻魔大戦』の世界観に象徴されるように、カルトには二元論の黒と白がはっきりした世界があり、『愛のむきだし』からはその二元論の世界に対する拒絶感を感じたと、宗教学を研究している宮台さんが話す。
園監督にとっては、キリストを愛することと、キリスト教は違うし、悪魔も善と悪の二元論になっているという。「キリストと悪魔、どちらも僕は奥まで入れない。２つの炎があって両方ともゆずれない、離れることもできないという自分がいて、ジレンマもあったり、そういうところが映画にも出ているんじゃないかな」
アメリカの「エヴァンジェリカルズ」というキリスト教の小宗派が二元論に近い考え方を持っており、9・11世界同時多発テロ事件が勃発した後、ヨハネ黙示録のハルマゲドンにおいて最後の戦いが始まったとみなしているが、ばかげた二元論という世界観だと宮台さんが語り、二元論について、「高橋泉監督の『ある朝スウプは』では宗教と性愛が描かれているけれども、ここではピュアな宗教と性愛が戦ってピュアな宗教が勝つ。宗教の方が純粋さを求める時は優位になる」と述べた。園監督は、これに対し、「変態が、セックスの道具としての肉体を使って（愛する者を）脱会させる、そこらへんがそそるというか、（映画をつくりあげる上で）面白かった」と語った。「ユウはある意味性欲の塊に近いんだけど、性欲か愛か混沌としたものでなんとかやっていこうと肉体を使ってやったところが面白かった」

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_2.jpg"><img alt="miyasono_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 純粋さには２つの解釈があり、ロリータ・コンプレックスの例では、アメリカのロリータとフランスのロリータに分かれる。アメリカでは少女は何も知らないから純粋、フランスでは少女は狡猾な悪魔的な存在とされている。少女は地獄に落ちることで、自分や二元論ではない世界を肯定する。これはロリコンだけではなくて、性愛に対するとらえ方でも、フランスとアメリカはまったく対照的だと、宮台さんは話す。「スタンリー・キューブリック監督の『アイズ・ワイド・シャット』は、変態的な妄想で相手にのめりこむ構図で、ちゃんちゃらおかしい例えです。ヨーロッパの人が見た場合、園監督の映画は、純粋さを巡る解釈についての批判と受け取れると思うんです」。この言葉に、園監督が考え込むと、宮台さんが別の質問に切り替えた。「『愛のむきだし』は非常にコミカルで、長い映画ですが、深刻な主題を意識しないでいれます。コミカルに撮るか、シリアスに撮るかというのは重要な選択ですよね。コミカルに撮るということは、どの段階で決めたんですか？」
「サルトルが『聖ジュネ』を書いてますが、それをジュネが読んだ時に暖炉にくべるというエピソードがあったけれども、宮台さんの質問は、いいとこ突いてくるんで、あまり肯定したくない（場内笑）」と園監督は告白しつつ、続ける。
「映画のなかで「ボレロ」という曲が流れていますが、この曲を使うことはある意味ギャグですし、たぶん最初から考えていたと思います。内容が内容ですから、日本映画にないスピード感のあるものにしたかった。スピードをつけるということは、コミカルになるに違いないなと。盗撮やキリスト教はどこまでも暗く、湿ったものにできる素材ですからね。逆にコミカルにしたみたかったんですが、ポイントを抑えるところだけギャグになったのかな」

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_3.jpg"><img alt="miyasono_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 前作『紀子の食卓』（カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で特別表彰&FICC賞受賞）との共通性として、話法が複数で、登場人物Aが一人称で語り、次にBが、次にCが一人称で語るというようにセクション分けを多用している、そういう手法でこだわって撮った理由を宮台さんに質問されると、「映画のなかで、推測されるのが好きじゃないです。芝居していない部分を読み取るとか、たぶんこういうことを考えているのだろうという推測が登場人物のなかに起きたくない。キーワードになる人間を僕は全部、情報として前半で与えて、そうすれば後半は考えることはわかるから、ある程度くると（情報提示は）いらない。最初はこと細かく伝えたい」
「非常に衝撃的な回答」と驚く宮台さん。「映像を使った表現の多くは、言葉で語れないものを語りたいという、想像させるような作品が映画的だというが、それが嫌いなのはなぜですか？」と園監督に問う。「それが実際に映画的だと思えない。みんなが同じ時代の流れをつくっている時にしかできない。（そうした時代は）相米慎二監督くらいで終わりじゃないかな。今は、10分前に始まった映画の登場人物の気持ちをわかることはできない。誰が何を考えているのかよくわからない今の時代には向かない」と園監督は断言する。
宮台さん「余白を通じて想像させる映画は、こういうメッセージが暗黙に伝わりますよね。皆さんが感じている現実がほんとはもっといいもので、毎日余白に相当するものを想像していれば、もっとふくらみのある現実が見えるというメッセージが。園監督の映画にはそうしたメッセージはないですが、それについては、どう思いますか？」
「宮台さんは、そういう映画は外国映画にも多いと思いますか？」と逆に聞き返す園監督。日本映画のほうが圧倒的に多いと宮台さんが応じると、園監督は答える。「書かない、あえて余白を増やすということは、それはそれでいい」
宮台さん「余白じゃなくて、情報や現実的なものですべて埋められた映画は、カオス的で、トランス状態になったピークで、ものすごい情報のハイパーリアル感が突如とれるところがないと（いけないなと）、感じるんですよ」
ここで会場に姿を見せていた出演者に気づき挨拶する宮台さん。「僕もちょっと出演していてゾロアスター教について講釈しています（場内笑）」
次回作について、園監督は「主題として宗教、しかもカルトの話ですが、なぜ宗教にこだわるかといえば、日本にキリストが生まれたらどういうことを起こすか？という疑問がまだ（頭から）取れていないせいですね。火のなかには入っていけない、でも入りたいんですよね。その入っているべき場所がサイキックという領域で、（そこに入れば）別の僕が生まれると思っている。来年くらいから入っちゃおうと思っていますけれども。これ、質問でしたっけ？」我に帰る園監督。「いや違うんですけど」とまぜっかえす宮台さんに、笑いが巻き起こった。

「日本にキリストが生まれたらどうなるのか、そのキリストとは園子温なのかということが皆さん一瞬頭をよぎったかもしれないけれども（笑）、園監督という存在の不思議な力がある気がするんです。神を指し示したりはしないが、もうひとつ別の角度、another sideすら指し示さずに、パンチラを指し示したところが園監督のすごいところです。これから上映される『愛のむきだし』、皆さん期待してごらんいただければと思います」と宮台さんが締めくくった。


（取材・文：宝鏡千晶）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_4.jpg"><img alt="miyasono_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_5.jpg"><img alt="miyasono_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_6.jpg"><img alt="miyasono_6.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/miyasono_6-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>トークイベント「映画の未来へ～＜「映画」の時間と映画教育＞～」</title>
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   <published>2008-11-29T06:00:39Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月29日、フィルメックス映画祭のプロジェクトである「えいがのじかん」本年度...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_1.jpg"><img alt="kodomo_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月29日、フィルメックス映画祭のプロジェクトである「えいがのじかん」本年度講師の中江裕司監督と、同じく、来年度講師である篠崎誠監督によるトークイベント「映画の未来へ～＜「映画」の時間＞と映画教育～」が有楽町朝日ホール11階スクエアにおいて行われた。小学生・中学生を対象にした映画制作ワークショップ＜「映画」の時間＞での映画制作エピソードとワークショップを通じてみる「映画の未来」への可能性について楽しく語る、和やかなイベントとなった。]]>
      <![CDATA[＜「映画」の時間＞プロジェクトは、小学生、中学生を対象とした東京フィルメックス主催の映画制作ワークショップである。第一回となる２００８年度は３月８日(土) 15日(土) 16日(日) 23日(日)の４日間、慶應義塾大学三田キャンパス大学院棟にて41名の子どもたちが参加した。ワークショップはストーリー作り、カメラ機材の使い方から始まり、撮影、編集そして父兄を招いてのお披露目上映会という内容となっている。
 
<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_2.jpg"><img alt="kodomo_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 今回の作品のテーマは「愛」。中江監督は「愛以外は撮るな、それだけは強く言いましたね。そこで、子どもは引くわけです。愛って、（子供は）もうすぐエッチなこと想像してしまう。「え～この大人は何を言っているの？」みたいなね」と子どものリアクションが楽しくて仕方がない様子。事務局の岡崎匡さんも「「 テーマは愛です」っていった瞬間に「え～」って言ってましたね。男の子は完全にブーイングでした」と当時を振り返る。
「ところが、そっからが面白くて、子どもって本当はエッチなことに興味があるから、それが入口となり「愛とはなにか」を考え始めて、じゃあそれをどうやったらできるかなみたいに考えていました」。「愛」について自分たちだけで真剣に向き合う子どもたち。大人が手助けすることはない。このプロジェクトには中江監督をはじめ、映画学校のスタッフやボランティアスタッフも参加しているが、映像の使用許可の手続きなどのフォローはするものの、基本的に大人は後ろにいて「見守るだけ」。あくまでも子どもたちだけで制作することが重要と考えているからだ。
 
ワークショップで出来上がった作品は全部で五本である。
１．ILOVE 十番（ドキュメンタリー 17分）
２．走れ！！発電少女（ドラマ　7分）
３．みなと区の中心で愛を探せ　（ドキュメンタリー　18分）
４．竜崎探偵事務所　事件ファイル　～２つのエンゲージリング～　（ドラマ　9分）
５．KISSしておねがい　（ドキュメンタリー　16分）

どれも、魅力的なタイトルだ。作品を見た篠崎監督の評価は非常に高い。「とにかく子どもたちの発想がいい。10代の終わりから20代の映画を製作する学生は個人的な話を取り上げることが多いが、それとは全く違っている。子どもたち（の作品）は大げさにいうと「世界と向き合っている」感じがする。」と語る 。篠崎監督はドラマ班が制作した「走れ！！発電少女」をとりあげ、「なぜ、発電少女なのかというのはドラマの冒頭からくっきりと出ている。この発想がいいなと思った。普通、いろいろな経験を積んでくると、めんどくさいからやめようとか、リアリティないよと言っちゃうんだけど、映画の面白さは思いつきを思いつきのまま終わらせないで走っていくことだと思う」と高度な技術は持たなくても、自分たちの発想を形にしようとする子どもたちの姿勢をほめたたえた。
またドキュメンタリー班が制作した「ILOVE 十番」では、あてもなく撮影をスタートしているようにみえたものの、「ある時“パシッ”とスナイパーが狙いを定めるみたいに照準が決まって、そうすると、大人が仕事をするところをきちんと見せて、その人の好きな人はこんな人って、ちゃんとテーマに戻って行くんだよね、あれはすごいなと思った」と子どもたちがきちんとテーマを消化し、作品を描いていることに驚きを隠せない様子。子どもたちの作品はプロの映画監督にとって、大きな刺激となっているようだ。
 
それでは、ワークショップは実際どのように進められていったのだろうか。
一日目に班分け。中江監督が子供たちの顔を見ながら「直感で」かつ強制的に決定する。班に分かれてから、機材の使い方の説明、ストーリー作り、担当者決めなどが行われる。ここで、驚くべきことに、中江監督から「絶対、公平には扱わない。やりたければ、自分で大きい声で言え」と学校では聞かれない言葉が飛ぶ。作業分担が重要な映画制作の現場ならではの一言だ。「最初にここは学校ではありませんと言った。ここは学校ではないから、なにしてもいいんだよ」と中江監督が説明。学校とは違うワークショップが始まる。
２、３日目は撮影。カメラは実際に子どもたちが回す。「子どもと大人って理解力はほとんど変わらないけど、時間がかかる。通常はそれを待てないから、教えてしまう。（このワークショップでは）そういう我慢を強いられます」と中江監督は語る。大人は手助けしない。あくまで、子どもに自発的にやらせるという、ポリシーが貫かれている。
最終日には、編集、お披露目上映会。「最終日に上映会を子供たち主催してやるんですけど、親は撮影現場に入れないから待たされて待たされて、やっと見れるというときの会場の一体感。すごい幸せな上映会です」子供たちの興奮を思い出してか、中江監督の言葉も熱い。「子どもたちは鼻高々です。前に出て、舞台挨拶をして…いい思いをしたと思う。作り続けてもらわないと困る」と将来の映画製作者達への期待を高める。
 
<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_3.jpg"><img alt="kodomo_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> ここで、篠崎監督が子供たちの持つ力について語る。「子どもたちの作品を見ていて思います。「ものを作る」ってこういうことだなと目の前にあるものにちゃんと目を見開いて、しっかり聞いて、じゃあこうしようかと。頭で考える前に手を動かす。子供ってそれが、すごい」中江監督も「判断力すごいからね、町を歩きながら、ドキュメンタリー撮ってる時に警察官撮りに行くからね。それは、おれはできないな」と笑いながら同意し、撮影者が子どもであることの利点についても触れた。「撮っている人との関係性がドキュメンタリーは映ると思うんだけど、むさいおっさんが「キスしてください」っていったら、一発殴られて終わるけど、やっぱり子どもに言われるから、ああいう表情になっていくんだよね」。決して大人では撮ることのできない表情があることを篠崎監督も認める。「最初に子どもたちに映画を作るって話があった時に、大人が作る映画を子どもたちが真似してもしょうがないなと思った。子どもたちにしか作れない映画を作る雰囲気を作らなければならなかった」と中江監督。子どもたちならではの感じ方、行動力は、その時代にしかないもの。その能力への両監督の興味はつきない。
 
このプロジェクトの意義について、中江監督は「スタッフの問題とか、映画制作における危機感は相当ある。システマティックな作り方を強要されているとか、あまりいい状況ではない。（しかし、）子どもたちと映画を作ってみて、日本映画の（明るい）未来というものを感じた。映画をやっていくやつもいるかもしれないし、やっていかないかもしれないけど、この子どもたちが、この国を良くしていってくれるかもしれない。本当に大袈裟ではなくそんな風に感じました」と述べ、初の試みとなる、＜「映画」の時間＞プロジェクトに大きな手ごたえを感じているようだ。
 
来年講師をされる篠崎監督は、来年開催される第二回の＜「映画」の時間＞について「（今年のワークショップの）精神的なものは受け継ぎたい、そこに、原っぱを作ろうと思っています」と「＜「映画」の時間＞～原っぱ計画」の構想を明かした。「僕が子どものころは空地がいっぱいあって、そうすると学区の違う子が入り込んで、ちっちゃい子から中学生までくらいの子がみんなで追いかけっこしたりしていました。映画作りはこれに近いものがあると思っています。それぞれにみんな違う技を持っていて、同じじゃない。中江さんもさっき言っていたけれど、みんな公平だとは思わない。たとえば、すべり台をすべりたい子もいれば、喧嘩にならないように並ばせるのが好きな子もいれば、人を早く滑らせるために砂をまき始める子もいる。みんなそれぞれ楽しみたい心の琴線は違う。映画ってそういうもんで、全然違うやつらが集まってきて、盛り上がる。そのテンションは誰一人欠けても違うんです。一期一会で（映画作りの）原っぱを作りたい」公平な世の中ではなく、自分の強みを生かしながら、一人一人がグループに貢献するという「原っぱ計画」ここから、新たな名作が生み出されるのであろう。
 
次に、会場に来ていた参加者のお子さんに登場していただき、感想などを聞く。ワークショップではドキュメンタリーの制作に携わった彼女。「やってみて面白かった。（知らない人に撮影を）頼むのが緊張したけれど、皆の前で上映した時にはうれしかった」と恥ずかしそうに話してくれた。

＜「映画」の時間＞で制作された映画はなんと、海を渡っている。ドラマ２本とドキュメンタリー３本をパックにして「It’s time for cinema」の名前でNY子ども映画祭（NY international children’s film festival）にエントリーをしたところ、第一次審査を通過したのだ。2000本あまりの「大人が作った」子ども向け作品に混じって、「子どもたちが作った」作品が健闘している。最終審査の結果は１２月初めに出る。良い結果を楽しみに待ちたい。
 
ここで、終了の時間が迫る。「終わった後にクタクタに疲れるけれど、得るものも多く、楽しい時間を過ごさせていただきました」と充実感たっぷりの中江監督。その精神は篠崎監督に受け継がれ、発展していくのだろう。
来年のワークショップは３月頃の予定。募集は２月頃を予定しており、詳細については東京フィルメックス公式サイトにて告知される。
 
中江監督はドキュメンタリー『４０歳問題』が１２月２０日よりシアターN渋谷、新宿バルト９他で公開。また、現在編集中だという『真夏の夜の夢』は来年夏、公開が予定されている。篠崎監督は１２月６日吉祥寺バウスシアターにて新作が公開される。
 
（取材・文：安藤文江）

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_4.jpg"><img alt="kodomo_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_5.jpg"><img alt="kodomo_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/kodomo_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>『ショーガ』Q&amp;A</title>
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   <published>2008-11-29T05:00:00Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月29日、コンペティションの一本として上映された『ショーガ』のQ&amp;Aが開催...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_4.jpg"><img alt="chouga_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_4-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月29日、コンペティションの一本として上映された『ショーガ』のQ&Aが開催され、プロデューサーのリマラ・ジェクセンバエワさんが駆けつけた。本作はダルジャン・オミルバエフ監督が文豪トルストイの名作「アンナ・カレーニナ」を映画化した作品で、急激な変化を続けるカザフスタンの社会を背景に、家庭のある女性が愛を見つけ年下の男に走る姿とその後の悲劇を描いている。]]>
      <![CDATA[まず、市山Pディレクターが主演で家族を想いながらも愛を選ぶ女性を演じたアイヌール・トゥルガンバエワさんについて尋ねた。『ザ・ロード』に続いてオミルバエフ監督作品には２本目の出演となる彼女だが、実はプロの役者ではないという。「オミルバエフの撮っている映画は基本的にはプロは扱っていません。ブレッソンみたいなのです。初期の作品ではプロの俳優を使っていますが、後の作品はほとんど素人の俳優さんを使っています」
ロベール・ブレッソンは芝居がかった演技を嫌い素人を起用する事で有名な監督だが、どう影響受けたのかという質問も寄せられた。

「映画に対しての考え方、主人項のありかたに現れていると思います。ブレッソンの映画では主人公は演技をせずそこに存在するだけです。その間ショットの中に動いて存在する主人公というものの連続によって映画が出来上がっていきます。まさにそういう映画作りや映画についての考え方、それはブレッソンからきていると思います」
また、音楽をほとんど使わない手法や上映時間の短さの理由、全てを語りきらない断片的なシーンの意図が知りたいという質問も飛び交い、「良い質問ですね」と言い置いてジェクセンバエワさんはひとつひとつ丁寧に答えた。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_3.jpg"><img alt="chouga_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 「確かに音楽はほとんど使われていません。彼にとって映画は、そこに形あるイメージと音というものからできています。そこに映っている物がたてる音、人物の囁き声、そういったものが重要な構成要素なんです」
原作が長編小説なのに対し、88分という尺の短さも監督の意図だと続ける。「ダルジャンは、物語のあらすじを借りるだけで端から端まで全て映画化する必要はないと考えていました。彼の映画は少し分かりにくいですが、それは全てを説明しつくすような形ではないからです」そして、そうやって表現されるシーンは俳句のようなものでもあると最後に解説してくれた。「例えば松尾芭蕉の俳句のようなものがあります。イメージを並べていく事によって長い文章でも伝えられないような事を伝えられています。そういう事を目指しています」

「私にとって最終目的というものは、スタイルであって内容ではありません。鑑賞の質にあって観客の数ではありません」とは上映前にジェクセンバエワさんが伝えたオミルバエフ監督のメッセージだ。会場には作品について熱心な続き、そういうオミルバエフ監督の気持ちが伝わったようなQ&Aとなっていた。


（取材・文：中村好伸）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_1.jpg"><img alt="chouga_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_1-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_2.jpg"><img alt="chouga_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_2-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_6.jpg"><img alt="chouga_6.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/chouga_6-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>トークイベント「それぞれのシネマ　日本映画[俳優×映画]編」</title>
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   <published>2008-11-28T13:00:00Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 第９回東京フィルメックスの会期中に、４回にわたって繰り広げられたトークイベント...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_1.jpg"><img alt="teranishi_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 第９回東京フィルメックスの会期中に、４回にわたって繰り広げられたトークイベント「それぞれのシネマ」。丸の内カフェで11月28日、最終回となる「日本映画編」が催された。映画やテレビにひっぱりだこの俳優、寺島進さんと西島秀俊さんをゲストに迎え、日本映画を取り巻く現状と過去・未来について、時に厳しく、時に笑いを交えてたっぷり語っていただいた。]]>
      <![CDATA[会場はこの日、応募者数約10倍の関門を潜り抜けた観客で超満席となった。そのほとんどが女性客。ゲスト２人の人気の高さを窺わせた。
聞き手を務める「Variety Japan」編集長の関口裕子さんがフィルメックスの印象を尋ねると、「男のなかの男じゃないけど、“映画祭のなかの映画祭”という感じがして貴重ですよね」（寺島さん）、「本当に映画が好きな人が集って、温かい雰囲気で進めている」（西島さん）と、ともに東京フィルメックス・ファンの顔をのぞかせた。
　まずは、関口さんが驚いたという、こんなエピソードからトークがスタート。「映画を勉強する若い学生に、どうやったら俳優になれるのかと質問を受けたのですが、どうやら、俳優志望もプロデューサー志望も、お金持ちになれるというイメージを持っているようでびっくりした」。
　これを受けて寺島さんは「そんな甘い世界じゃない」と一蹴。時代劇の斬られ役としてキャリアをスタートさせた頃の様子を、「時代劇が斜陽でね。暇だったので、色んな人と出会ったり、映画を見たり。仕事がないときに何をすべきが考えた」と振り返った。「そんな儲かるわけでもないし（笑）」という西島さんも、「好きじゃないと続かない。好きでも相当キツイ仕事」と同調する。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_2.jpg"><img alt="teranishi_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 「この国はやばいね。自分自身がしっかりして、運の良い出会いを重ねていかないと」という寺島さんの憂いを受け、話題は海外の映画祭で受賞が続いた頃の日本映画界へ機運に。「ヴェネチア国際映画祭で是枝裕和監督が受賞したりして、海外での評価が日本での話題性に直結するような、日本映画にこれから何か起こるのではないかと期待するような、そんな時代だった」と言う関口さん。これに対し、数々の映画祭に出品された『おかえり』（1995年：篠崎誠監督）等に出演している寺島さんも、「これから映画で生きていくんだという気持ちが生まれた」と語る。「いろんな国の人たちがいて、見方も反応も違う。理屈ぬきに元気をもらって、視野が広くなった。日本に帰ってきて、取り組む姿勢がいい意味で変った」のだという。ただ、「現実、日本で映画だけでやっていくのは…」と、言葉を濁す一幕も。話題は、日本映画界の現状へと移っていく。

　「映画が不自由になってきている」という寺島さん。撮影所システムが崩壊し、スポンサー企業の存在が大きくなっている今、映画を作る上で受ける制約も増えたに違いない。
「今年のフィルメックスでも、蔵原惟繕監督の作品をやってるでしょ。あの頃って、どんなアブナイことをやっていても、それがすごく生き生きとフィルムに焼きついている。昔の監督特集を見ていると、悔しくって仕方がない。なぜこの役者さんたちは、こういうことが出来たんだろうって」と、しきりに「悔しい」を繰り返す寺島さん。日本映画への愛ゆえに、映画に対するストレスも大きいのだとか。
では、撮影所システムがない今日、ベテランから若手への“伝承”は、どのように行われているのか。「現場で大先輩とご一緒したときは、やっぱり『（昔は）どうだったんですか』って聞きますね」と西島さん。しかし「実際の撮影現場っていうのは、否応なく向かってくる“現実”に立ち向かうことしかできないので、それが演技にすぐ反映されるわけではない」のだとか。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_3.jpg"><img alt="teranishi_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> ここで、寺島さんと北野武監督との出会いに話が及んだ。西島さんから、「（出演を希望して）監督を追いかけて海外まで行ったって聞きました」と話を振られた寺島さん。「ちょうど父親を亡くし、松田優作さんも亡くなった頃。大切な人を亡くすと、『ああしとけば』って後悔するじゃないですか。だから北野監督に会ったとき、絶対後悔しない人生を歩もうと思った」と言い、北野監督がアメリカで映画を撮っているとの噂を聞きつけ、直談判に乗り込んだエピソードを披露した。実際、撮影は行われていなかったのだが、渡米ついでにニューヨークから長距離バスでロサンゼルスを目指した話をすると、会場は大爆笑。しかし、それがきっかけで、その後の『ソナチネ』出演を決めたというのだから、「僕もロス行きます（笑）」（西島さん）というのも無理はない。
やはり北野監督の大ファンだという西島さんも、「実は『Dollsドールズ』の現場ではファンとは言えなくて。そのうち監督に（ソナチネは）公開が２?３週間で終わったからあまり見てる人がいないって言われて、我慢できずに「僕、劇場で見てます」って言ってしまった」思い出を語った。

そして、ひとしきり２人が共演したテレビドラマや過去の出演作について話すと、翌日からリハーサルに入るという西島さんの新作『蟹工船』の話題へ。プロレタリアート文学ブームに話しが及ぶと、テーマは唐突に昨今の不景気へと飛躍した。
「ハリウッドでは、映画製作の資金が厳しくなってるらしい。アイデアがないわけではないので、その状況でどうやって作っていくのか。映画作りとは、なかで関わる人たちの気持ちではないか」という関口さんの発言を受けて、ボルテージが上がった様子の寺島さん。「面白い脚本があっても、危険があればスポンサーが降りてしまう。共犯関係が結べない。制約ばかりで縮こまった映画になってしまう」と日本映画界の問題点を指摘した。
「監督さんってそれぞれ、独自の世界を持っているじゃない？ところが、最近は瞬間を切り取ってくれないというか、使いどころが決まってないから、何回も何回も同じことをやらされる。勇敢な監督が少なくなった」と寺島さん。「２時間ドラマみたいな映画が多いでしょ？」

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_4.jpg"><img alt="teranishi_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_4-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 映画に対する憂いは尽きないが、前を向かねば始まらない。「今が我慢の時期かなって気がしますね」と寺島さん。「ここを乗り切ったら、また12年前（『おかえり』の頃）みたいな風が絶対来るよね」と、関口さんのお株を奪う（？）仕切りで締めくくった。
最後は客席からの質疑応答。
「映画好きとして、自分が出ている作品を客観的にどう見ているのか？」との質問に、「ダメ出しが多い。厳しく見てます」という寺島さんに対し、「客観的に見れない」という西島さん。作品が生まれるプロセスを経験しているので、人から批判されてもついかばってしまうのだとか。
「もしオファーが来たらやってみたい海外の監督はいますか？」という質問には、「いまは全くない。日本映画をもっともっと」（寺島さん）、「ぼくもない。実際お会いして、何か行きかうものがあれば出演する。海外の作品だからといって、そのプロセスが替わることはない」（西島さん）と、日本映画への愛が感じられる答えが返された。

寺島さんの「動」と、西島さんの「静」。アプローチの仕方こそ異なれど、映画に対する想いが話の節々からこぼれ落ちる。西島さんは、「京都にすごいレンタルビデオ屋さんがあって、廃盤の作品もそろっている。マニアは京都までレンタルしに行くそうです」と、ヘビー級の映画ファンには耳寄りの情報まで提供してくれた。また、今年のフィルメックスでは『マクナイーマ』や『文雀』、『ベガス』も見たという西島さん。「このあとシネカノン有楽町へ１本観に行きますので、皆さんも」と、しっかり映画祭を宣伝してくれる一幕も。映画に対する２人の愛情がぎっしり詰まった90分となった。
　
（取材・文：新田理恵）
　

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_5.jpg"><img alt="teranishi_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_6.jpg"><img alt="teranishi_6.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_6-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_7.jpg"><img alt="teranishi_7.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/teranishi_7-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>『バシールとワルツを』Q&amp;A</title>
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   <published>2008-11-27T13:00:00Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月27日、有楽町朝日ホールにてコンペティション作品『バシールとワルツを』が...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_1.jpg"><img alt="bashir_qa_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月27日、有楽町朝日ホールにてコンペティション作品『バシールとワルツを』が上映された。“サブラ・シャティーラ事件”と呼ばれるパレスチナ難民の大量虐殺を引き起こしたレバノン戦争の記憶を掘り起こそうとするこの作品は、ドキュメンタリーをアニメーションで再現するというユニークな試みがなされている。上映後に、アニメーション監督のヨニ・グッドマンさんによるQ＆Aが行われると、「アニメーションに興味がある」という観客から熱心な質問が相次いだ。]]>
      <![CDATA[「イスラエルからこのような長編アニメが生まれるのは、1962年の作品に次いで2作目のこと。日本というアニメーションの伝統のある国に来ることができてとても光栄です」と挨拶したグッドマンさん。またこの映画は今回来日できなかった「アリ・フォルマン監督のもの」とし、「監督自身が戦争を経験し、戦場には英雄はなく、ただ戦闘員として人々がいるだけだったこと。その多くが恐怖を抱えた若者だったことなど、この映画を通じて戦争のむごさを伝えようとしています」と語った。

まず、市山尚三東京フィルメックスプログラム・ディレクターからドキュメンタリーをアニメーションにした今まであまり例のない映画を作った経緯について問われると、グッドマンさんはフォルマン監督が通常は実写映画の監督であることを述べた上で、テレビドキュメンタリーシリーズで、エピソードの前に短いアニメーションをつける仕事をした時に「恐怖や幻想をありのままに伝えるにはアニメーションは最適なツール。戦争体験の長編映画でアニメーションを使いたい」と監督から相談を受け、有意義なコラボレーションにつながったことを明かした。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_2.jpg"><img alt="bashir_qa_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 客席に質問を求めると、アニメーションの手法に興味あるという男性が「アメリカ映画の『スキャナー・ダークリー』のようなものを想像したが違った。ドキュメンタリーをアニメーションにしたというが、実際の人間よりも動きを簡略化したのはなぜか」と尋ねると、グッドマンさんは「『スキャナー・ダークリー』はロトスコープというビデオの上に絵を描く技術を使っていますが、この作品はカットアウト（切り絵的なもの）の技術を用いています。伝統的なアニメーションの手法であれば200から300人のアニメーターを起用し巨大な予算を使うところです。しかし、イスラエルでの制作のため、カットアウトの技法を用い10人で作りました。カットアウトはその特徴から画を単純化せざるを得ないのですが、技術の欠陥ともいえる部分を独特でスタイリッシュな映像に結び付けることができたのではと考えています」と語った。

続いて外国人の観客から「イスラエルではまだ戦争が続いているが、この作品に対してどのような反応を見られたのか」と質問されるとグッドマンさんは「当初は政治的であったり、あるカテゴリーの映画という見方をされるかもしれないと思っていたがそうしたことはなく、戦争がすべての人に大きな影響を与えるという、こちらが伝えたいことは伝わったように思う」と語った。また「この映画が作られることで何か変わることになるか」という質問に対しては「人々の心を変えることになればいいがそれはわかりません」としながらも、この映画を見た元兵士たちが監督や自分のところにやってきて戦争について語り始めたエピソードを挙げた。
また「異なる時間や場所で起こったシーンを断片的に見せていったのはなぜか」という質問については「これは監督が自身の記憶を辿り、そのパズルのような記憶を組み合わせていく過程を描いている」と語った。

観客の多くが上映後もそのまま残りQ＆Aに耳を傾けていた。この作品がそれだけ見る人に何らかの衝撃を与えたということだろう。なお『バシールとワルツを』はシネカノン有楽町1丁目にて11月29日（土）21:15より再度上映される。


（取材・文：田中美和）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_3.jpg"><img alt="bashir_qa_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_3-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_4.jpg"><img alt="bashir_qa_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_5.jpg"><img alt="bashir_qa_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_qa_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>トークイベント「『バシールとワルツを』予備知識講座」</title>
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   <published>2008-11-27T11:00:00Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月27日、コンペティション作品『バシールとワルツを』の上映に先立ち、有楽町...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_3.jpg"><img alt="bashir_lec_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月27日、コンペティション作品『バシールとワルツを』の上映に先立ち、有楽町朝日ホール11階スクエアにて「『バシールとワルツを』予備知識講座」と題したトークイベントが開催された。この作品はイスラエルのアリ・フォルマン監督が、自ら従軍した1982年の第一次レバノン戦争とその中で起こった「サブラ・シャティーラ事件」と呼ばれる虐殺事件の記憶を辿るドキュメンタリーである。この戦争と事件について、防衛大学校国際関係学科教授の立山良司さん（中東現代政治）をお迎えしてレクチャーしていただいた。]]>
      <![CDATA[1982年６月、イスラエル軍は南レバノンに侵攻し、パレスティナ武装勢力（パレスティナ・ゲリラ）と戦闘に入った。この侵攻の目的は、イスラエル国境から40キロ以内の南レバノンにあるパレスティナ・ゲリラの拠点を壊滅し、イスラエルへの脅威を取り除くこととされた。しかし、国防大臣アリエル・シャロン（2001年から06年まで首相）の意図は、レバノンに親イスラエルのキリスト教マロン派の政権を樹立することにあった。
この戦争におけるキー・パーソンは、当時のイスラエル首相でタカ派として知られるメナヘム・ベギン、シャロン国防相、映画には登場しないが、パレスティナ解放機構のヤーセル・アラファト議長。そして、今回の映画のタイトルにある「バシール」、バシール・ジュマイエルである。ジュマイエルはキリスト教マロン派（レバノンにおけるキリスト教徒の最大勢力）の民兵勢力ファランジスト（アラビア語ではカタエブ、今回『バシールとワルツを』に付けられた日本語字幕では「ファランへ党」と表記）の指導者で、イスラエル軍侵攻後の1982年８月にレバノン大統領に選出されるも、直後に爆殺されている。後述のように、「サブラ・シャティーラ事件」の引き金となったのはこの暗殺である。
イスラエル軍の攻勢によってパレスティナ武装勢力は９月初めまでにレバノンから撤退し、アラファト議長らはチュニジアへ退去した。これをもって主要な戦闘は終了したが、イスラエル軍は85年まで南レバノンに駐留し続けた。さらに、1985～2000年までイスラエル国境から幅15kmほどを「安全保障地帯」とし、イスラエル軍及びその支援を受けたレバノン民兵組織「南レバノン軍」が駐留していたことからも分かるように、この戦争はその後十数年に渡り、イスラエル・レバノン国境地帯に緊張をもたらしたのである。

ここで、戦争の背景となった、当時のレバノンの政治状況について説明がなされた。レバノンはイスラム教スンニー派、シーア派、キリスト教はマロン派、ギリシャ正教、アルメニア正教の他多数の宗派、そしてユダヤ教徒など、「宗教・宗派の博物館」と呼ばれる程に多様な信仰を持つ人々を抱えている。また山岳地帯であることから、地理的にも地方毎に分断されていた。
フランスの委任統治領であったレバノンは1943年に独立し、「中東のスイス」、首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれるほど栄えたが、宗教・宗派の微妙なバランスは崩れやすく、常に政治は不安定であった。
1970年代初頭には、ヨルダンを追われたパレスティナ武装勢力がレバノンに移動し、南レバノンを拠点にイスラエルへの攻撃を行った。1975年、レバノン内戦が勃発し、レバノンのさまざまな民兵組織、パレスティナ武装勢力各派、さらにシリアやイスラエルが介入し、レバノンは「破綻国家」の状態に陥る。この状況下でパレスティナ武装勢力は南レバノンでの基盤を一層拡大し、イスラエルとの対立は激化。イスラエルは1979年にもレバノンへの軍事侵攻を行っている。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_1.jpg"><img alt="bashir_lec_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 1948年のイスラエル独立前後に、70万から80万のパレスティナ人が難民となったが、レバノンにも1950年時点で約13万人の難民がいた。2008年６月末時点で約40万人が、12の難民キャンプで生活している。これは国連管理下の「オフィシャルキャンプ」の数であり、実際にはさらに多くのキャンプが存在する。ベイルート市内にあるサブラとシャティーラは国連管理のキャンプではないが、「難民キャンプ」と呼ばれている。歴史的に、ベイルートを南北に走る道路の東がキリスト教徒、西がイスラム教徒の居住区となっており、キャンプは西側にあった。

1982年９月14日、ファランジストの本部ビルが爆破され、バシール・ジュマイエルらが死亡する事件が起こる。犯人は未だ明らかではなく、さまざまな可能性が考えられている。しかし、ファランジストはパレスティナ武装勢力の犯行と判断。難民キャンプに武装勢力が逃げ込んでいるとしてサブラ・シャティーラ難民キャンプでの掃討を計画し、ジュマイエルの暗殺直後より西ベイルートに進駐していたイスラエル軍はこれを許可した。
９月16日夕、ファランジスト民兵はキャンプに侵入し、18日朝まで非戦闘員、女性、子ども、老人を含む難民を虐殺した。犠牲者は500人から2000人と推定され、一部には3000人を超えるとの説もある。
この惨劇を招いたイスラエル政府・軍には国内外で批判が高まり、政府は最高裁判事カハンを首班とする委員会を設置し、調査を行った。

この事件を巡るイスラエル軍の行動については、いくつかの疑問点が上げられている。
第一に、なぜ、ジュマイエル暗殺直後に西ベイルートを占領したのか。これは親イスラエル政権樹立を目論むシャロンが、パレスティナ武装勢力の残党やスンニー派武装勢力がマロン派の政治基盤を破壊することを怖れたためである、という。
二つ目は、なぜイスラエル軍はファランジスト民兵をキャンプ内に入れたのか、という点。映画でも語られるが、カリスマ的存在であったジュマイエルが暗殺されたことで憤激にかられていた民兵たちが虐殺を行うことは十分予知できたのではないだろうか。そして、虐殺が発生した時点で、近くにいたはずのイスラエル軍がそれを把握できなかったのか？
当時現場にいたイスラエル軍関係者たちの証言によると、「虐殺が起きている間、イスラエル軍はキャンプの出入り口を固め、さらにキャンプ内が見えるビルの屋上に前線基地を設置していた」「あるイスラエル将校がファランジスト民兵に「なぜ女性や子どもを殺すのか」と尋ねたところ、民兵は「女は子どもを生み、その子どもは成長してテロリストになる」と答えた」「異常事態が起きているという報告が断片的にテルアビブに伝えられていたが、最後まで組織的な対応はまったくとられなかった」という。すなわち、イスラエル軍側は虐殺の事実を知りながら、傍観したことになる。

事件翌年の1983年２月、カハン委員会が報告書を発表する。そこでは、惨劇の直接の責任はファランジスト民兵組織にあるが、イスラエルにも惨事を予測する十分な根拠があったにもかかわらず、彼らをキャンプ内に入れたことに間接的責任がある、とされ、適正な手段を取らなかったシャロン国防相は「個人的に責任を取るべき」とされた。しかしシャロンは辞任を拒否し、その後の事態拡大の中で国防相の職は辞したが、無任所相として閣内に残ることとなった。これをもって行政的には一応の解決をみたが、この戦争と虐殺事件がイスラエル社会に残した影響はどのようなものだったのだろうか。

イスラエルの徴兵制度では、18歳で男性は３年、女性は２年の兵役義務が課せられる。それは、男性の場合は徴兵時に戦争が行われていれば、すぐに最前線に送られる可能性があるということを意味する、と立山さんは言う。『バシールとワルツを』の中でも、ディスコで夜を明かし、ヴィデオゲームに興じる日々を送る若者が突如悲惨な戦場に放り込まれて戸惑う様子が印象的である。
イスラエル国内の世論では、「選択肢のない戦争」と「選択肢のある戦争」という言い方があるという。前者はレバノン戦争以前の戦争―イスラエルでは“国防上避けられなかった”と考えられる戦争である。後者はまさに1982年のレバノン戦争を意味し、シャロンが政治的意図をもって押し進めた、避けることのできた戦争であるという言い方がなされているのである。「何のための戦争だったのか？」という問い、虐殺を目の前にしながら「何もしなかった」という記憶は、従軍した人々に深い傷跡を残している。

最後に会場からの質問を受け付けた立山さんに、年配の男性から「“民兵”という概念がよく分からない。軍というものはオフィシャルな組織ではないのか？」という疑問が寄せられた。「日本に暮らしていると理解しにくいかもしれませんが、軍や警察といった国家が独占する暴力装置以外に武力を持つ勢力というものがあり、それが民兵と呼ばれています。先に述べたようにレバノン政府は70年代から80年代にかけて破綻国家状態にあり、各地に地域や宗派を基盤とした組織が勢力を持っていました。周辺諸国からの武器供給によって肥大化し、政府軍よりも大きな軍事力を有する組織もあるのです。例えば有名なヒズボラは、４万発のロケット砲を持つなど規模・装備の面でレバノン政府軍を凌いでいます」

事件のもう一方の当事者であるパレスティナの人々にとって、サブラ・シャティーラは民族的な悲劇として強く記憶されているという。立山さんは、イスラムの聖地であるエルサレムの岩のドームの中にはこの事件について刻んだ小さな碑が設けられている、と語り、レクチャーを締めくくった。


（取材・文：花房佳代）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_4.jpg"><img alt="bashir_lec_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_2.jpg"><img alt="bashir_lec_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/bashir_lec_2-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>『木のない山』Q＆A</title>
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   <published>2008-11-27T10:00:04Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月27日、有楽町朝日ホールにてコンペティション作品『木のない山』が上映され...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_1.jpg"><img alt="treeless_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月27日、有楽町朝日ホールにてコンペティション作品『木のない山』が上映された。母親に見捨てられた幼い姉妹が前向きに力強く生きていく日々を描いたこの作品は、韓国に生まれ、現在はアメリカに在住するソヨン・キム監督の長編第2作目。上映後、温かい拍手が沸いた会場のステージには、キム監督とプロデューサーのブラッドリー・ラスト・グレイさんが登場し、和やかな雰囲気のなかQ＆Aが行われた。]]>
      <![CDATA[この作品で映像として印象に残るのが、クローズアップによる子供たちの表情。そこで「どうやってこんなに自然な子供たちの演技を撮ることができたのか」とまず林 加奈子東京フィルメックスディレクターが質問。キム監督は「映画作りではキャスティングが大事だと思っている」と話し、姉役の子供はソウルの学校を15校くらいまわって見つけ、妹役の子供は韓国のスタッフがソウル近くの孤児院で見つけたことを明かした。また、子供たちの撮影の仕方としては「日常の生活感をコンセプトとし、彼女たちにリラックスして撮影に臨んでもらうために、それぞれのシーンをゲームのように楽しめるよう苦心しました。事前にセリフは一切覚えさせず、フレームの外からその都度『次はこう言って』とセリフを耳で覚えさせ撮影していきました」と語った。

続いて、客席から「なぜこのような映画を作ろうと思ったのか。作品の中に『アルプスの少女ハイジ』の話がでてくるが、韓国国内やまた監督自身にもなじみのある話なのか」との質問が飛ぶと「自伝ではありませんが、この映画のストーリーは、私の個人的な経験からできています」とキム監督。『ハイジ』については、韓国でも有名な童話であり、監督自身も知っていたが、今回は妹役の子供が孤児院からその本を持ってきたことが映画につながったとした。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_2.jpg"><img alt="treeless_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 年配の男性客は映画の時代とタイトルについて質問した。それに対してキム監督は「時代は70年代後半から80年代初頭を考えました。撮影場所は、私の故郷の町ですが、そこに戻ってみたら、その時代から様子が変わっていなかったことも影響しています」とした。またタイトルについては「企画の当初から決めていました。通常だとストーリーを展開するなかでタイトルも変わっていくことが多いのですが、今回は不思議と変わりませんでした。しかし映画が出来上がって何度も見るたびに、私自身タイトルのとらえ方が変わるような気がします。みなさんもそれぞれの思いでタイトルを考えてみてください」と語った。

さらには、特別招待作品『ベガス』のアミール・ナデリ監督からも手が挙がり「魔法のような映画。テンポ、リズムが素晴らしい」と称えたうえで、音楽の使い方について質問した。キム監督は「当初は友人たちに脚本を読んでもらい、どういう音楽をつけようかと検討していました。しかし、40時間の編集作業において映画の声に耳を傾けていくと、この映画があまり音楽を必要としてないのではないかと考えました」とあくまで作品に登場する姉妹の存在や映像の力を重視したこと明かした。

最後の質問として女性から「監督はどのように映画の勉強をしてきたのか」と聞かれると「私は映画学校ではなく美術学校に行ったので、学校で映画について学んではいません」とキム監督。しかし、プロデューサーであり、映画監督であり、パートナーでもあるブラッドリーさんが映画を作るときに、プロデューサーとして参加し、録音技師やドライバーなどの役割もこなしながら実践的に映画の撮り方を学んでいったと語った。

ブラッドリーさんからは、この映画がアメリカ、韓国、イギリスでの配給が決まったことが伝えられると、林ディレクターは「日本ではまだ決まっていないので、前向きにご検討ください」と会場の関係者に願った。会場からも日本での配給を求めるような大きな拍手が沸き、『木のない山』のQ＆Aは終了した。

（取材・文：田中美和）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_3.jpg"><img alt="treeless_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_3-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_4.jpg"><img alt="treeless_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_5.jpg"><img alt="treeless_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/treeless_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>『べガス』Q&amp;A</title>
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   <published>2008-11-26T13:00:00Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary>　11月26日、特別招待作品の『ベガス』が、有楽町朝日ホールにて上映された。上映...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_1.jpg"><img alt="vegas_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a>　11月26日、特別招待作品の『ベガス』が、有楽町朝日ホールにて上映された。上映に先立ち、アミール・ナデリ監督の強い希望により、当初は予定になかった舞台挨拶が急遽開催される運びとなった。林 加奈子東京フィルメックスディレクターの紹介を受けたナデリ監督が舞台に登壇すると、会場は大きな拍手に包まれた。上映が終わると、再び監督を迎え、Q＆Aがおこなわれた。]]>
      <![CDATA[　監督は「『ベガス』が今までの自分の作品と異なる点は、カラー映画であることと、物語性が強い内容になっていることです。この映画をみなさんに楽しんでいただきたい。また、この作品を観ていただけることに感謝します」と挨拶をした。続けて、ナデリ監督は、「フィルメックスは大好きな映画祭です。自分の作品が映画祭で上映される際には、この上映を誰に捧げるかということを申し上げているのですが、今回の上映は野上照代さんに捧げます。野上さんは日本の映画界における非常に重要な人物です。昨夜、私は野上さんの著作『天気待ち?監督・黒澤明とともに』を読みました。とてもおもしろい本なので、みなさんにもぜひ読んでいただきたいと思います」と話した。元黒澤プロ プロダクション・マネージャーの野上さんは、第９回東京フィルメックスの審査委員長を務めている。

映画のエンド・クレジットが終了すると同時に、場内には拍手が巻き起こっていたが、監督が舞台に現れると、観客は更に大きな拍手でナデリ監督を讃えた。
　
<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_2.jpg"><img alt="vegas_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> まずは林ディレクターが、「私は『ベガス』を観て、自分自身についての話のように思いました。（フィルメックスのディレクターとして）一生懸命、映画を観ているけれど、傍目には意味がないことのように見えるのだろうか、（自分は）勘違いをしているのだろうか、なにがいけないのだろうか、そういったことを考えさせてくれるものすごいパワーを、私は（この映画に）個人的に感じたんです」と今作への感慨を述べた。実話がベースになっている『ベガス』は、ラスベガスの砂漠に建つ一軒家に暮す家族の物語である。

　フィルメックスではこれまでにも、ナデリ監督の作品を上映している。2002年の第3回開催で『マラソン』を、2003年の第4回開催で『期待』を、2005年の第6回開催で『サウンド・バリア』を、それぞれ上映した。そのことに言及してから、林ディレクターが、「ナデリ監督は、『（自分の作品を）人に観てもらおう。伝えよう』と、とても意識しているように感じますが」と訊ねると、ナデリ監督は、「『ベガス』は自分にとって新しい経験でした。これまでは実験的でパーソナルな映画を作ってきましたが、今回はもっと観客に伝える映画を作りたいと思ったんです」と答えた。更に、ナデリ監督は、「私はイラン人の映画作家で、アメリカのニューヨークに渡り、故郷には帰りませんでした。（ニューヨークで数本の映画を撮ってから）ラスベガスに赴きました。この街は、まったく違う宇宙・惑星のようでした。『ベガス』は、私がラスベガスで実際に聴いた話をもとにした作品です。ラスベガスの風景や資本主義のありよう、家族のありかた、人生、哲学などを、私はとてもアメリカ的だと思っています。だから、『ベガス』は、（アメリカの）先人の映画作家たちが表現した映画のスタイルを借りた作品にしたいと考えました。たとえば、ジョン・フォード監督やラオール・ウォルシュ監督の、アメリカの風景を舞台にした映画。私はアメリカのクラシック作品が大好きです。私は映画の教師をしていて、フィルム・ノワールや過去のあらゆるジャンルの映画について、各地で教えているので、これらの作品をよく知っています。『ベガス』は、イラン人の私が、実験的にではなく、アメリカ文化に真正面から取り組んだ映画になっています」と語った。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_3.jpg"><img alt="vegas_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a>　続いて、観客からの質問を受けつけた。最初の質問は、「この映画を作ったきっかけを教えてください」というもの。この質問をしたのはイラン人の男性で、ナデリ監督は、「あなたはイランのかたですね」と言って、その男性にほほ笑みかけてから、「私はもともと、ラスベガスで定点観測的な写真を10年間ほど撮影していて、この街には何度も足を運んでいました。ラスベガスというと観光地で有名ですが、（観光地ではない）砂漠の地域に生まれ育っている人々がいて、ギャンブルの中毒になっている人や、世間の出来事に関心のない暮らしをしている人もいます。『ベガス』で描いたような話は、ラスベガスでは日常茶飯事の出来事です。ラスベガスは世界中の人が知っている街なので、この場所について映画を作るのはリスクがあります。ただ、私は『外からラスベガスを見る』という映画を作りたいと思いました。この街の郊外で生まれ育って、ここで子供を産んで育てる家族の物語を描きたかったのです」と答えた。

　次の質問は、サウンド（音）に関するもの。「ラスベガスの上空には、ヘリコプターや飛行機が多く飛んでいるので騒々しかったと思うが、どのようにして音を録音したのですか」という質問に、ナデリ監督は、「音と、その編集は、私の映画作りにとって非常に重要です。音の構成に迷いがあったら、私は映画を作ることをスタートしません。ラスベガスの空は飛行機が多く飛んでいるので、ダイレクト・サウンドで音を収録することは非常に困難です。そのため、私は撮影現場のいろいろな場所にマイクを置いて、8トラックや4トラック（いずれもカートリッジ式の磁気テープのこと）などのさまざまな媒体で、音のバランスを調整しながら録音しました。非常に難しい作業でしたが、それらのサウンドを組み立てる作業も私は大好きなので一生懸命やりました」と答えた。

　同じ質問者から、「劇中印象的に使われた風鈴の音は、どのようにして録音したのですか」という質問も。ナデリ監督は、「私は映画に音楽を使うことが好きではないのですが、『ベガス』では、風鈴の音が音楽的な効果をもたらしていると思います。この風鈴の音は、風の音を通じて物語を語る、というひとつの方法になっています。音響と音そのもの、空気感、景観、それらすべてがバランスを作りあげて、ある種の交響楽のような効果をもたらしています。『ベガス』の製作費が1ドルだとしたら、そのうちの30セントが音響・音の部分の費用にあたります。約3割ということです」と例をまじえながら答えた。

　続いて「劇中で、カメラが俯瞰撮影をしている部分があったが、全体を見渡すショットが撮りたかったのですか」という質問が挙がった。ナデリ監督は、「風景を撮る際に、私はアメリカの古い映画作家たちの手法を参考にしました。ジョン・フォードや、『赤い河』のハワード・ホークスの作品などから、撮影のスタイルを借りています。上空からロング・テイクで俯瞰する撮影は難しく、録音も大変で、（カメラの）角度を調整するために、撮影を何度も中断して対応することになりました。しかし、私はとても楽しんで撮影しました。私はいつも学生のような気持ちで映画を作りたいと思っていて、映画を撮るたびに、新しいやりかた・新しい物語にチャレンジしたいと思っています。『ベガス』はアメリカ映画の先人たちの手法に倣う形でスタートしましたが、撮影していくにつれて、自分自身の独特のスタイルへ移っていきました。アメリカのクラシックな映画の手法と、自分の実験的なスタイルが融合した作品になったと思います」と答えた。

最後の質問は、「これまでにフィルメックスで上映されたナデリ監督の作品で、監督がアメリカに移住してから撮った映画は、（今回の『ベガス』も含めて）いずれも『ものにとり憑かれている人』をテーマにしているように見えました。「イスラム革命前のイラン映画」（第4回東京フィルメックスにて特集上映）で上映された『期待』(1974)を観たときに、アメリカへ渡ってからのナデリ監督の感覚とは違うように感じて驚きました。現在のようなモチーフができたのは、アメリカに渡って生活をしてから思いついたのですか」というもの。この質問に、ナデリ監督はまず、「私はオブセッションを持って生まれてきた男です」と前置きをした。続けて、ナデリ監督は、「イラン時代に、『期待』、『ハーモニカ』、『駆ける少年』、『水、風、砂』といった作品を撮りましたが、原作のある映画以外はすべてオブセッションを題材にしています。私がイランを離れてアメリカへ渡った理由は、このオブセッションを、もっと大きな土俵で表現したいと思ったからです。映画作家になりたいと志した理由のひとつがオブセッションでもあります。昔、私の育ての親である伯母が『簡単な暮らしはつまらない』と言っていて、それで私は人生の困難に立ち向かってチャレンジする映画を作るようになりました。次に撮る作品も、そういう映画にしたいと思っています」と話した。オブセッションについて、ナデリ監督は更に、「映画作りにおける私のオブセッションは、『日常生活』にあります。日常的に思ったことをテーマに深く掘りさげて、それをどのように伝えるか、ロケーション・録音・編集はどのようにするのかを考えます。映画を完成させていく過程で（テーマを）リアルタイムに戻していくわけですが、この作業は、ある種、『悪夢のような時間に戻す』ということになります。私の人生は、『オブセッション』、『チャレンジ』、『いかにリスクを負いながら、やりたいことに向かって前進していくか』という3つの言葉で語ることができます。その結果、多くの金銭・時間・エネルギーを費やすことになって、失うものも多いですが、同時に、得るものも多い。その失うものと得るもののバランスが、現在はとてもよい状態です」と語った。

　最後に、ナデリ監督は、「『ベガス』は、映画作家としての私の、ひとつの卒業証書になりました。これからは新しい人生が始まるので、とても嬉しいです。次は、もっと困難で不可能な状況を描いた映画を作ります。カット！」としめくくった。

　どの質問にも、真摯で誠実な熱い言葉で回答したナデリ監督。その言葉のひとつひとつから、映画作りに対するナデリ監督の情熱がダイレクトに伝わってきた。予定時間をオーバーして繰り広げられたQ＆Aだったが、熱心に聴き入っていた観客は、時間が許すならナデリ監督のお話をもっと聴きたかったという思いを胸に、会場をあとにしたことだろう。

（取材・文：川北紀子）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_4.jpg"><img alt="vegas_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_5.jpg"><img alt="vegas_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/vegas_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>トークイベント「それぞれのシネマ　ブラジル　[アート×映画]編」</title>
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   <published>2008-11-26T12:30:00Z</published>
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   <summary> 11月26日、トークイベント「それぞれのシネマ　ブラジル　[アート×映画]編」...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_4.jpg"><img alt="art_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_4-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月26日、トークイベント「それぞれのシネマ　ブラジル　[アート×映画]編」が丸の内カフェにて行われた。第9回東京フィルメックスではブラジル映画に焦点を当てているが、東京都現代美術館では10月12日より「ネオ・トロピカリア：ブラジルの創造力」展が開催されている。アートと映画を巡り、同美術館チーフ・キュレーターの長谷川祐子さんと駐日ブラジル大使館公使のジョアォン・バチスタ・ラナリ・ボさんがトークが繰り広げた。]]>
      <![CDATA[ トークイベントは、特集上映されたジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督作のピックアップ映像に基づき、本国のブラジリア大学では映画の講義も受け持っているというラナリさんの解説からスタートした。
まずはブラジルのニュー・シネマ運動であるシネマ・ノーヴォの代表作『マクナイーマ』（1969）。インディオの民話をベースにした小説を、ブラジルの通俗映画「シャンシャーダ」の要素も盛り込みながら映像化し、大変な人気を博した映画だ。食人主義やエロティックな表現も特徴的であるが、多くのメタファーや、政府に反旗を翻す女性ゲリラの登場など、軍事政権下（1964?1985）にあった当時の状況も色濃く反映されている。また、表現の自由を弾圧する政令(ＡＩ5法、1969年)により、検閲の結果いくつかのシーンがカットされた経緯のある作品だ。『キャットスキン』（1960）は貧民街を描いたオムニバス映画で、イタリアのネオリアリズモの影響が強く出ている作品。続いて、監督の長編第1作目となる『ガリンシャ』（1963）は、当時ブラジルではペレと並ぶほどの人気があったサッカー選手ガリンシャと、試合観戦する人々の様子を捉えたドキュメンタリー。ブラジルにおけるサッカーの社会的意味を理解できるとともに、一般大衆の記録と言う点でも価値のある貴重なフィルムだ。そして最後に監督の円熟期に製作された『夫婦間戦争』（1975）。3組のカップルの物語が交錯していく展開となっており、監督流のアイロニーが効いたオムニバス映画である。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_2.jpg"><img alt="art_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a>　ここで、監督作の中でもとりわけ特徴的な『マクナイーマ』について、長谷川さんとラナリさんの活発な意見交換がなされた。長谷川さんは「ここには食人主義という考え方が強く出ていますね。飢えのために食すのではなく、倒した敵の優れているところを自分のものにするために、選択的に食べると言う原住民の古い習慣がベースになっています。」と述べ、食人主義がブラジル文化を構築するためのひとつの思想・哲学であると説明した。ラナリさんからも、「食人主義は、『ヨーロッパの植民地支配から文化的に独立するために、ヨーロッパ文化を貪り食う』という意味で20世紀初頭のブラジルのインテリ層が構築した独特な思想のメタファーで、現在のブラジル文化でも用いられます。文化人が自己を位置づけるパラメーターとしても機能します」と説明が加えられた。さらにラストシーンについてラナリさんは「ゴダール的な、ヌーヴェルヴァーグを髣髴とさせるセクシャルな意味付けもされており、観客をひきつけた要素のひとつでもあると思います。自分は当時12?13歳でしたが、とても衝撃的でした」と振り返った。また、この作品の背景を語る上で特筆すべき点として、地方から都市への人の流入と言う社会的現象を挙げ、「ブラジルの近代化が直面する困難な側面が描かれていると思います。この映画は小説が原作ですが、小説が書かれた当時にはない問題をも監督は描き出しているのです。」と続けた。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_3.jpg"><img alt="art_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_3-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a>　一方、アートの分野では、欧米文化から脱した独自の文化の創造を目指した芸術運動「トロピカリア」が1960年代以降に展開されていた。第一人者とも呼べるエリオ・オイチシカの作品は、東京都現代美術館にも展示されている。「エリオ・オイチシカは、それまで抽象的で幾何学的な作品を制作していました。ところが、訪れた町のサンバ・ダンススクールで、ダンサーのリズミカルな動きや生命力にインスパイアされ、『生きることはアートそのものだ』と発見するのです」と長谷川さん。また、自身のブラジルでのサッカー観戦の経験に触れ、「サッカー選手のプレイよりも、応援している観客のパフォーマンスの素晴らしさに驚きます。一般の人々が持っている内的なパフォーマティビティの美しさに感動しました」と、民衆に魅了されるという感覚に深い共感を示した。シネマ・ノーヴォの運動についても、アイディアとカメラを手にした監督たちが、ブラジルの路上に展開する民衆のパフォーマンスと出会い、そこに独自のメッセージを乗せて映像化していったのではないかと考えを述べた。
　しかし、高まりを見せたシネマ・ノーヴォなどの芸術運動もやがて停滞していく。軍事政権下において、芸術家たちは政治的な理由で逮捕されたり、亡命を余儀なくされる場合もあった。特に1969年以降は、表現活動を行うのにきわめて難しい時代であったと言える。

また、長谷川さんは人種問題について質問。「ブラジルは人種のるつぼと言われるくらい多彩な人種が存在し、それらが混ざり合っていますね。個人的には、人種差別がないと言う印象を持っています。『マクナイーマ』でも、主人公が黒人から白人に変わりますし、肌の色が異なる人たちが兄弟として描かれています。ブラジルでは、人種についてどのような考え方がなされているのでしょうか」それに対しラナリさんは「黒人が白人に変わるシーンはコミカルに描かれていますが、それはブラジルの現実をより捉えやすくするためのファンタジー風な表現と言えるでしょう。確かに、ブラジル人は寛容で、アメリカなどと比べれば融和していると言えるかもしれません。しかし、それほど事態は簡単ではなく、ブラジルにも人種差別は存在します。『マクナイーマ』ではそれを巧みに表現していると言えます」と答えた。

さらに話題はブラジルにおける男女の関係についても及ぶ。「『夫婦間戦争』では男女のカップルのさまざまな関係が描かれていますね。とてもおおらかな印象を受けますが、この映画はブラジルでの男女関係のあり方をリアルに描いているのでしょうか？」と長谷川さんが尋ねると、ラナリさんは答えに窮しながらも「ブラジルのカップルの不安定さを反映していると言えるのではないでしょうか」と述べた。「『マクナイーマ』についても、主人公は安定した男女の関係を築けない男として描かれています。実は、軍事政権最後の大統領であるフィゲイレード将軍（在任1979-1985）は、面倒くさがり屋で女好きという面が目立ったため、当時の新聞記者に「大統領は『マクナイーマ』である」と評されたことがあります。言われた本人は激怒していましたが、まさにその表現が的確で、言いえて妙でした」と興味深いエピソードも明かした。

最後に、長谷川さんが『マクナイーマ』がハンモックで寝ているシーンが多いことに触れ、ハンモックの魅力である自由さと不安定さが、ブラジルのカルチャーの魅力を表しているように見えると語り、トークを締めくくった。ラナリさんの丁寧な解説により、作品の背景にある社会的事情も理解することができ、充実したトークイベントだった。また、会場にはアンドラーデ監督の娘マリアさんの姿もあり、作品がより身近に感じられる時間ともなった。なお、アンドラーデ監督の作品は、12月6日(土)にはアテネ・フランセ文化センターで5作品が一挙に上映される。

（取材・文　外山香織）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_1.jpg"><img alt="art_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_1-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_5.jpg"><img alt="art_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/art_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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   <title>トークイベント「巨匠ナデリ大いに語る」</title>
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   <published>2008-11-26T10:30:31Z</published>
   <updated>2010-04-18T07:00:42Z</updated>
   
   <summary> 11月26日、有楽町朝日ホール11階スクエアにて、特別招待作品『ベガス』の上映...</summary>
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      <![CDATA[<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_1.jpg"><img alt="naderi_1.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_1-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> 11月26日、有楽町朝日ホール11階スクエアにて、特別招待作品『ベガス』の上映に先立ちアミール・ナデリ監督によるトークイベントが行われた。ナデリ監督と東京フィルメックスの縁は深く、今回は『マラソン』（02）、『サウンド・バリア』（05）に続き3回目の出品となる。イラン出身のナデリ監督は、現在アメリカ・NYに活動の拠点を置き、大学で学生たちに映画について教えるなどその活動は多岐にわたる。トークイベントでは大学での教え方や『ベガス』の制作資金集めに関する仰天エピソードなどを大いに語った。]]>
      <![CDATA[東京フィルメックス初日の22日に来日以来、コンペテション作品を見たり、アニエスベー・アワードに投票したりしている様子が林 加奈子東京フィルメックスディレクターから紹介されると「とても楽しんでいます。この映画祭は今回が3回目ですが、NYに帰るときはいつも故郷を離れるような気持ちなります。みなさんから多くを学んでいますし、みなさんも私から学ぶことがあると思います」と挨拶したナデリ監督。リラックスした様子でトークに参加すると、林ディレクターは早速、現在ネバダ州立大学などで映画について教えているというナデリ監督にその内容を聞いた。

「私自身は大学を出ていないし、映画をきちんと学んだこともない。ストリートや映画から映画を学んで映画作家になった」とし、学生への教授方法について「黒板はなく、ただ映画を見て映画を語ることを方針としている。現代は技術について学ぶことは比較的容易になっているので、私自身は教師として技術的なことを話さないようにしている。学生やスタッフには私は常日頃から『自己表現をしなさい』といい、心の中にある真実が何なのかそれを表現することを推し進めるよう伝えています。（映画に関わろうとしながら）メディアを使って言いたいことがないというのは問題があります」とナデリ監督。

<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_2.jpg"><img alt="naderi_2.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_2-thumb.jpg" align="right" width="200" height="134" /></a> しかしながら、テーマの見つけ方について「家族や学校、町などで出会うすべての人の心の中には何か秘めているものがあり、それをオープンに打ち出していくことができれば、新しい物語になる」とも語り、作りたいジャンルがあれば「そのジャンルの先人たちの映画を徹底的に見るように勧める」とした。ナデリ監督が教師として行っていることは「橋をかける作業。学生の背中を押し、向こう側に辿り着くことを教えている。そのために、学生一人ひとりに話しかけ、それぞれの個性を尊重している」と語り、特に知り合ってからの3ケ月は、お互いがどんな人間なのかを分かりあうために、一日4本くらいの映画を見ながらキャラクターや技術、音楽、音などの好みについて語りあうとした。

ナデリ監督が学生たちにクラシックの作品を薦め、また監督自身も過去の東京フィルメックス出品作品などモノクロ映画を多く撮っていることから、モノクロ映画への思いについて林ディレクターが聞くと「確かにモノクロ映画にこだわりはありますが、ノスタルジーを求めているのではありません」とナデリ監督。溝口健二、黒澤明、成瀬巳喜男、新藤兼人などの監督名を挙げ「日本のモノクロ映画は世界の映画の中でも素晴らしい」と称えたうえで、モノクロ映画の魅力について「観客はモノクロを見ながら自ら色を想像する楽しみがある」と語った。さらに現在のカラー撮影について「少なくとも色をコントロールしてほしい。色はエネルギーを持っていて、それは非常に微妙なものだから」とし、ナデリ監督自身も「大島渚監督の『少年』という映画に登場する日の丸の赤い色を見て、色が監督の主張や物語を表現することについて考えた」と語った。
今回の『ベガス』については「舞台となるラスベガスの町そのものが色だと思う。アメリカでもっともカラフルな町」と表現し、カメラの置き場所も、「町の真ん中に置くと町の持つ色に食われてしまうので、遠くにカメラを置いてラスベガスの彩りを撮った。撮影は光の関係上一日２時間、午後３時半から５時半の時間を選んだ」というこだわりを明かした。

「通常ラスベガスというとどこか別の場所からギャンブルをしにくる人たちに焦点が当たりがちだが、私はそこに生活する人を描きたかった。NYからラスベガスに移り2年間住んだが、それまでとまったく違う環境でどのように作品を描いていくか壁にぶつかった。そうしたとき映画の先人たちのスタイルを借りて作れるのではないか考えた」と好きな監督の名前と作品名を挙げるなど話が止まらない様子のナデリ監督に対し、林ディレクターは、「上映前のトークイベントは、ネタばれに気をつけたり、監督や出演者が緊張していることから、話を引き出すのに苦労することもあるが、今日大変なのは通訳の人、私は楽です」と会場を笑わせ、すでに予定時間をオーバーし上映時間も近づいていたが「最後にこれだけは聞きたい」と資金集めについて尋ねた。

ナデリ監督は「正直にいって映画で金儲けをしたことはありません。今までの映画は自分のために作ったが、今回はこの物語を独り占めするのは不公平だと感じた」と作品への思いを語ったうえで「時間をかけて脚本を作りあげると、カジノに通い、儲けた金で映画を作ろうと思った」と驚きのエピソードを明かした。実際にラスベガスのホテルに住みながらギャンブルを行い、そこでギャンブル中毒の人と親しくなったこと。しかし「映画を作るために金を稼ぎたい」といっても信じてもらえず、自身が映画監督であることを証明するために、インターネットが使える40km離れたファーストフード店まで行き、自身の記事を見せてギャンブル中毒の人たちに映画作りを手伝ってもらうことになったことなどを楽しそうに語った。そうして、NYの制作会社からお金を借り、彼らに50ドルずつ渡してそれぞれのカジノでギャンブルをしてもらい、ナデリ監督がその場所をまわって様子をチェックし、もうけていたら現金化し、さらに彼らの元に戻って20分間様子を見、負け続けたらお金を返し、勝ち続けたら翌日の撮影経費にまわすという、まさにキャンブル的手法で資金集めをしたと説明。「そのおかげて撮影は８ヶ月もかかった」というと場内は笑いに包まれた。

そうした話を受け、林ディレクターは「毎日にこの人と一緒にいたら大変だろうなと思うけど、たまに無性にナデリ監督に会いたくなる。それほどチャーミングな人」と話し、『ベガス』開演7分前にイベントを終了しようとしたが、ナデリ監督が「最後に一言！」と時間を求め「次の作品は月を舞台にする予定ですが、私はどこから資金を集めればよいでしょうか」と会場に投げかけ、場内は再び爆笑。結局トークイベントが終了したのは開演5分前。イベント参加者たちは、ナデリ監督の魅力を充分に堪能し、『ベガス』への期待を胸に上映会場へと足早に向かった。

（取材・文：田中美和）


<a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_3.jpg"><img alt="naderi_3.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_3-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_4.jpg"><img alt="naderi_4.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_4-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a> <a href="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_5.jpg"><img alt="naderi_5.jpg" src="http://filmex.net/mt/dailynews_2008/naderi_5-thumb.jpg" width="100" height="67" /></a>]]>
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